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ガラス板 加工・販売

ガラス板の歴史

コアテクニック[巻芯法]

概要:紀元前15〜16世紀にメソポタミアやエジプトで始まる。芯をつくって、液体のガラスをまきつける方法。

ガラスの器がこの世に初めて送り出されたと推測されるのは、紀元前15〜16世紀にメソポタミアやエジプトで生まれたガラス製法コアテクニック技法と言われています。 金属の棒に作ろうとするガラス器と同じ形で芯となる 耐火粘土、鋳物砂、少量の繊維質を混ぜた粘土を巻き付けガラスを溶かしながら、ひものよう に巻きつけて容器の形を作り、色ガラスを巻きつけたり、針で傷をつけたりして文様をつけ、次に冷やして、完全に冷めたら、中の芯を取り出すという方法です。 それゆえ名の由来は芯(コア)を使うこの作り方からきており、ガラスの器は、この製法によって初めて誕生したといわれており香水や香油を入れる小容器が主に作られ、器の大きさは約10cm程度だったといわれています。それでも手間が面倒で時間がかかる製法であり、でき上がったガラス器は、王や貴族だけが手にすることのできる宝物だった。そして、当時としては最高のガラス技術ではあるが、 透明なガラスや薄い器は作れませんでした。


鋳造法(キャスティング)

概要:紀元前100年頃、古代ローマで行われる。鋳型(いがた)に流し込んで成型する方法。

古代ローマの鋳造法とは、溶かしたガラスを鋳型に流し込んで成型する方法です。まず耐火粘土で原型の鋳型を造り、そこに溶かしたガラスを流し込みガラスを型になじませ、冷やすと、ガラスができ上がる技法です。古代ローマ時代には、この方法で作られた板状ガラスが建物の窓に使われていたといわれており、 窓用板ガラスの誕生である。板ガラスといっても、厚く、完全に透明なものではなかったが、建物の開口部にガラスをとりいれようとする試みは、この時代か ら始まっていたようです。


吹きガラス技法

概要:紀元1世紀頃、ローマ時代に行われる。口で空気を吹き込んで作る方法。

吹きガラスの技法は、紀元前1世紀にフェニキアで発明され、花瓶や壺のような形の吹きガラスが 製作されるようになった。吹きガラス技法には、空中で息を吹き込む「宙吹き」と、型に入れて空気を吹き込む「型吹き」がある。そして、吹きガラスのはじまりは、「型吹き」だったと いわれている。模様をつけた型に溶けたガラスを流し込んで、パイプで息を吹き込む。すると、凹凸が逆になった模様がガラスに写しとられる。ローマ時代に は、石や粘土の型がさかんに使われていたようだ、「宙吹き」と呼ばれる技法は、吹きガ ラスの原料となる砂を、約1400度以上の高温で溶かし、それをさおに巻き取って息を吹き込む。宙吹き後、「徐冷」と呼ばれる技法で冷却し、口部と底部の仕上げをして完成する。「宙吹き」が確立されてからは、さらに簡単に、さらに早く、ガラス製品が 作れるようになった。一説には、それまでの製造法に比べて、200倍近い生産ができた、ともいわれるほど。1世紀後半のローマでガラス製品が日用品として も普及したのは、宙吹きガラス技法の生産性の高さによるものだ。型にガラスを流し込む のではなく、口で空気を吹き込んで作るのでこの名前がついた。ただし、この方法で、ガラス板を作ることはムリでした。日本に吹きガラスの製造技術 が伝わったのは江戸時代で、オランダとの貿易によるとされる。その当時からガラスは、「瑠璃」・「びいどろ」と呼ばれていました。


クラウン法

概要:4〜7世紀頃、シリアで発明される。遠心力を使って円盤型のガラスを作る方法。

吹き棹の先につけたガラスの種を球状に膨らませ、反対側にポンテという鉄棒の先を溶着させ、吹き棹を外した穴を再加熱、軟化したところで遠心力で円盤型のガラスを作り、カットして使用していました。板ガラス製造方法の草分けと言われています。その成型過程が王冠に似ているところからこの名称がつきました。しかし、表面はでこぼこで大きさが限られ、中央にはヘソのようなポンテの跡が残ったそうです。この製法をきっかけに、窓にもガラスが多く使われるようになったようです。


ド・ヌーの鋳造法

概要:17世紀末、フランスで考案される。溶けたガラスを、金属ローラーで表面を平らにして板にする方法。

フランスのド・ ヌーが考案した板ガラス製造法。銅製の鋳型(いがた)に、溶けたガラスを一気に流し込み、金属ローラーで表面を平らにして板 にした。この方法により、当時としては非常に大判の板ガラス[約2000×4000mm]を作ることができた。ただし鋳造板ガラスは、非常に厚く、ローラーの跡が残るため「磨き」工程が必ず必要となった。この「磨き」は手作業の上、熟練と時間のかかる大変な作 業だったそうです。


円筒法

概要:17〜18世紀頃、イギリスで確立。吹きざおで長い円筒を作り、たてにカットして広げる方法。

円筒法は、吹きざおで長い円筒状のガラスを作り、カッターで切り開き、熱しながら板状にひろげるという方法です。より大きくてより透明なガラスの大量生産を実現した製造法でした。とはいえ、その製造工程は、まだまだ熟練者の手作業に頼ったものであり、ガラス表面にはゆがみが残り、品質にもばらつきがあったようです。
その後、円筒法は、アメリカ人ラバースの、人間が吹く代わりに蒸気で吹く技術の開発により、機械吹き円筒法[ラバース法]に変わり、機械化による板ガラスの大型化と生産性の向上を実現し、20世紀アメリカで大量に建築された高層ビルの窓等の大型のガラ ス窓をもたらした。しかし、機械吹き円筒法は、機械化されたとはいえ、基本工程は手吹き円筒法そのものである。つまり、円筒を作り、切り開き、加熱して平らな板にするという、めんどうな工程を依然として含んでいた。


垂直引上法

概要:1900〜1920年代、アメリカやベルギーで始まる。板状になったガラスを垂直に引き上げる方法。

1901年にベルギー人のフルコールが開発した「フルコール法」は、溶解窯(ようかいがま)に浮くデビトーズ[狭いすき間の開いた細長い器具]を使い、耐火粘土のスリットから もりあがったガラスを垂直に引き上げるという製造方法。薄い板ガラス作りには適していたが、厚い板ガラスを作るには適さなかった。1928年にアメリカで開発された「ピッツバーグ法」は、ドローバーという器具を使い、窯に沈めた耐火粘土によってもりあがったガラスを引っぱり上げる製造方法。大版の厚い板ガラスを作ることができた。垂直引上法により、板ガラスを連続して製造する本格的な大量生産が可能になりました。


ロールアウト法

概要:1920〜1930年代、アメリカで開発。2本のロールの間にガラスを通して平らにする方法。

ロールアウト法は、1922年アメリカのフォード社によって開発された2本のロールの間に溶けたガラスを直接通して板にする方法です。現代でも、型板ガラス[意図的に像をぼやかすため、模様を入れた板ガラス] や網入り板ガラス[金属ネットを封入した防火用板ガラス]の製造方法として普及しています。しかし、ゆがみのない透視性の高い板ガラスにするには、後で表面を磨くという工程が必ず必要となります。

フロート法

概要:1950年代、イギリスで始まる。ガラス生地をスズの上に浮かべて平らにする方法。

イギリス・ピルキントン社が開発、ガラスの比重が錫よりも軽いので浮かぶ原理を利用し、溶かしたガラス素地を溶融金属[錫(すず)]の上に浮かべて、ガラスを板にするという方法、今では世界中に普及している。 この製法によって、磨きを 必要とせず、両面ともほとんど平らな板ガラスが実現しました。フロート法で作られた板ガラスはフロート板ガラスといい、平行平面と火造りのつやを兼ね備えた優れたガラス。現代の板ガラスの代表的な製法になり、建物の窓、ショーウインドゥ、鏡、そして自動車や電車の安全ガラスの材料として使われるなど、ほとんどの透明板ガラスの幅広い用途に用 いられています。

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